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田舎のスーパー見学

移動スーパー2台を走らせているスーパー経営者のO社長と面会しました。

桜満開で、のどかな田園風景が広がる田舎町。高級栗「銀寄」の発祥地。

 

O社長はツナギ服姿で現れ、熱い思いを語って下さりました。

 

N町は消滅可能自治体全国30位以内に入るそうです。そんな風には見えないけどなあ。

小学校5校、中学校2校が統合され、牧場跡地に1つにまとまった校舎が建設されました。

 

N町唯一のスーパーは地元ではなくてはならないインフラになっています。元々、仕出しや弁当の配達、学校の購買、施設への販売など地域の大切な仕事も色々されています。過疎への危機感を誰よりも感じておられるO社長は行政の他人事のような対応にもどかしさを感じているそうです。

 

 「高齢者への宅配弁当の予算○○円までで作れと一律に決まるやろ。作れるで。でも、まずいで。こんなん、エサや! 足も悪い、でられへん。友達には会われへん。耳も遠くて電話も出来へん。テレビも聞こえへん。楽しみなんて食べることしかない人にこんなんで福祉と言うてるんやで。せめて美味しいものが食べたい人には追加料金払って選べるようにしたらええのに、「不公平がでるから」と聞く耳ナシや!多賀さん、あんた8090歳になって健康のためにまずいもん食いたいか?俺はいらんわ。残り短い人生、いまさら節制したいか?食べることが残された唯一の楽しみやのに美味しいもん食べて死にたいわ。」胸に刺さる言葉でした。

 

 過疎を逆手にとって、O社長は色々チャレンジしています。

    農業法人をつくり、野菜のハウス栽培。Iターンで若者や外国人留学生を呼び寄せ、就労や研究支援。出来た野菜はスーパーで販売

    ドローンの飛行研究。過疎なので、飛行許可地域だそうです。

    ジビエ(鹿肉・猪肉)加工販売 田畑を荒らす猪・鹿の食害が全国的に激増しています。

    炭 リサイクル燃料・ハウスの暖房などに地元の材料を地元で消費するシステム作り

などなど、人口減少の地域でどうやって新しい可能性を広げてゆくか・・・。

 

「僕もやりたいんです。でも恐いんです。」と言うと、「新しい事にチャレンジしていくことはしんどいで。出る杭は打たれるしな。」と実感のこもった答がかえってきました。