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高齢者の気持ち①

先日、こんなことがありました。

        ※プライバシーに配慮し、仮名を使用し、一部事実を変更しています。

 

 お一人暮らしの一条さん。江戸っ子です。

   先日お伺いしたら、「今日はもう疲れちゃったの。」

   「どうしたんですか?」

   「(関東の)娘が昼から来るって」

   「良かったですね~。準備でお疲れなんですか?」

   「違うのよ!来たらうるさいのよ!部屋が汚いだの、冷蔵庫開けて賞味期限切れてるだの・・・。

    だから、今日は早起きして庭に穴掘ってたの。」

   「まさか、落とし穴?」

   「違うわよ!馬鹿ねえ。期限切れの食べ物を土に埋めてたのよ。疲れちゃったわ。」

 

    幼い子供のとき、お父さんお母さんの事を、何でも出来るスーパーマンと思っていました。

   でも、いつからでしょうか?親も一人の人間と分かり、いつしか体力・判断力が衰え、子が親を追い越すことになります。

   子供にとっては年々出来なくなっていく親を見ることは辛いものです。まだ認めたくない。

   ちゃんと出来ない親に苛つくことは理解できます。

 

    反面、ご高齢の一条さんの立場から見ると、ゆったり自分のペースで暮らしたい。

   いつもと違うことはとても「疲れる」のです。「疲れる」度合いが私達とは違うのですね。

   そんな程度で「疲れる」のです。

 

    遠方にいる親の様子をみるため、多くの方が新幹線や飛行機で毎月、毎週通われています。

   しんどいことだと思います。気持ちが荒れることもあると思います。

   でも、お父さんお母さんの出来ない事を責めずに、できる事を優しく見守ってあげられたら、私も嬉しいです。