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お願いですから、食べさせてください!

 先日、ウチの妻さんが、移動販売に訪問した、とある施設での出来事です。

 

ぷぅ~(仮名)さんと言う、施設の入居者様が主人公です。

 

介護職員Aさん: 「移動販売はじまるよ~!」

ぷぅさん   : 「大福ください」

介護職員Bさん: 「げっ!!!、ぷぅさん、なんでおるの!?」「お風呂の時間やろ」

ぷぅさん   : 「もう入りました」

介護職員Cさん: 「早めにボクが入浴させました!」

介護職員Bさん: 「(ヒソヒソ声で)あかんやん。移動スーパーとかち合わんように、風呂に行かせないと・・・・!」

 

 ぷぅさんは、重度の食事制限がある方のようです。

 我慢できない性格のようで、移動スーパーと出会わないように今まで、お風呂に連れて行っていたようですが、今回は事情の知らない新人介護職員さんが移動スーパーが来るからと、気を利かせて、早めにお風呂を切り上げたようです。

 

介護職員Aさん: 「あかんわあ~ぷぅさん。娘さんからお金預かってないわ~。残念やけどまた今度預かっとくわ~」

 

 ぷいっといなくなったぷぅさん。

しばらくしてから、100円硬貨を握りしめてやってきました。

 

介護職員Bさん: 「げっ!!!、ぷぅさん、なんでお金持ってるの!?」

ぷぅさん  :  「お金はあります。お願いですから、売ってください」

 

介護職員Aさん: 「あかんわあ~ぷぅさん。100円ではなんも買えないわ~。」

 しかし、ぷぅさんの手には1個70円の大福が。

ぷぅさん  :  「お願いですから、食べさせてください」「お願いですから~」「お願いですから~」「お願いですから~」「お願いですから~」「お願いですから~」「お願いですから~」「お願いですから~」「お願いですから~」「お願いですから~」

 

結果は・・・・・。

 ぷぅさんの粘り勝ち。

 

 でも、皆さんはどう思いますか?

自分が90歳を超えたときだったら、自分の家族が食事制限をしなければならなかったら・・・・。

 

  ①もうこの先、好きなもの食べさせてあげてよ~

  ②少しでも長生きして欲しいから、気を付けてあげてよ~

 

家族の希望は②が多く、ご本人の希望は①ですね。

 

この板挟み。

介護職員様は、実に上手に、誰も傷つけることなく工夫しておられます。

ホントに頭の下がる思いです。